「あらいやだ、ダンテ。まだ寝てたの?」
俺はビクッとして振り返った。ドアの所に、茶髪で十代後半くらいの少女が立っている。
「…フランカ(フランチェスカ)。何の用だ。」
俺は露骨に嫌な顔をした。フランカはふっと笑って中へずかずかはいってきた。
「そんな嫌な顔しなくてもいいでしょ。失礼ね。呼びにきてあげたのに。今日あなた‘あの人’に呼ばれてたでしょ。いいの?のんびり構えてて。」
−あ!俺ははっと立ち上がった。
「急がないと」
「言われなくてもわかってる」
俺はフランカを睨み付け、クローゼットを開いた。
「フランカ。出てけよ、着替えるから。」
「はいはい、分かったわよ。あ、ちょっと待って」