進は考えていた。野沢への仕返しを。
自分にだけ説教たれる行為と
自分の気に入っていた場所を汚された事への仕返しを考えていた。
凜は悩んだ。進が荒れずに生活してくれるようにするにはどうしたらいいのか。
その為に自分は何をしようか悩んでいた。
野沢は待っていた。凜が決心することを、
進が自分に向かってくることを、
新しい世界を創る者が自分のもとへ集うことを待っていた。
もう少しでこの本が世界を変える。
この間違った道を進んでいる世界を、
正しい道を進む世界へと変える。
それには進の心が必要だ。
早く向かってこい！俺に向かってこい!!
それが憎しみであってもかまわない。
そして、凜の命が必要だ。
早く決心しろ。進の為にその身を捧げる事を。
例えその想いが叶えられないとしても。
「野沢のヤロー、ぜってぇつぶしてやる。
もうあいつの物ぶっ壊すくらいじゃきがすまねぇ、
タイマンであいつを潰してやる！
あいつを潰すぞ！確実に潰してやる!!」
俺はあいつが許せなかった。
だからあいつに真っ向勝負をかけることに決めた。
あいつを潰した後の事は考えていない。どうなろうと関係ない。今はただあいつを潰せればいい。
「私が止めなきゃ！進を止めなきゃ!!
進が止まるなら私はなんだってしてやるわ!!!!」
もう見てられないの。荒れ果てる進は見たくない。
人に暴力で向かっていって、力こそ全てだと思ってる進は
もう見たくないから、私はなんだってしてみせる！
凜は進を身を削ってでも助けることを決めた。
進が助かればいい。進が正しい道に進んでくれれば良い。今はそれだけでいいの。
次の日、進は野沢を呼び出した。
凜は、それを聞いて駆けつけた。
「野沢、テメェ俺と勝負しろ。んで、俺が勝ったら
テメェはもうその面みせんじゃねぇ。」
「進、良いだろう。
ただ、勝負は違う場所でやろうじゃないか。
凜、この本を開いて持っててくれ。」
野沢が開いた本を凜に渡したその瞬間、
本から青い光が放たれ、凜は石像となった。
「おい！野沢!!
これはどういう事だよ!!!!」
野沢は笑顔で言った。「凜は、お前が殺したんだよ、進。」
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