畠田は信じられない、といった表情になった。
「おい、何を訳の判らん事を言っているんだ!
何処のどいつが、何の目的でやっているかも判らないのに、無責任な事を言うんじゃないっ!」
そう言うが早いか、柳田は畠田を強引に抱え込み、小声で柳田の推論を告げた。
「馬鹿なっ!」
畠田は柳田の体を軽く突き飛ばした。
その時、一連のテロ事件をひっきりなしに伝えいたテレビから、今まで聞こえていた人物の声とは違う人物の声が流れてきた。
“ここで、緊急ニュース速報です。
先程、アメリカ政府がテロ実行犯からのものと思われる、犯行声明が送られてきた事を公式に発表しました。
犯行声明を送ってきたのは、‘ニホンオオカミ’と名乗るグループ若しくは人物で、アメリカ政府は今までに、その存在を一切把握・認知していなかったとの事で、現在、緊急に情報収集にあたっているとの事です。
繰り返します・・・”
柳田は、呆然とテレビを見つめる畠田に言った。
「これから、日本に対するバッシングが米・韓だけではなく、世界中から来ますよっ!
怒りの矛先を何処に向けたらいいか、判らない米・韓は間違いなく日本に牙を剥いてきます!」