僕は、この世界で一番やってはいけない事をした。
命を奪った・・
人を殺したんだ、父を。
3時間前
『お前、なんて生まれてこなきゃよかったんだ!』
父からの毎日のように発せられる言葉!
もう慣れてしまった。
「生まれてきたくて生まれたわけじゃない・・」
小さな声で、呟く事しかできない。
自分の弱さも、受け止めている。
『あぁ?ブツブツ何言ってんだ?』
ヒュッ!
何かが飛んできた!
バリーン!!!
ビール瓶??
さっきまで父が飲んでいた。
勿論、父が投げた!
今まで見た事のない大量の血。
痛さを超えて何かが僕の中で爆発し、今までなんとか繋いでいた糸が切れてしまった。
意識が飛んでいた!
目の前には、首から血を流し息絶えた父の姿があった。
割れたビール瓶を手にもち、朦朧とする意識の中で今の状態を把握しようとする。
「僕が殺したんだ・・」
思いのほか冷静だった。身支度をし、家を出る準備をした。
警察に捕まる事の恐れも少しはあったが、家に居るのが嫌だった。
そして、警察に捕まる前にどうしても、行きたい場所があった。
支度を済ませ、家を出る。外に出て、17年間住んだ場所、、父に「さよなら」と言った。
外は寒く、かなり冷えていた。
とりあえず暖かな場所を探し家を後にした!