柳田は畠田に詰めよった。
「上から、ニホンオオカミにの情報収集命令が出るのは、時間の問題です!
しかし、我々には何の情報もない、白紙の状態ですよ。!
その上、CIA(アメリカ中央情報局)やNIS(韓国国家情報院)の連中は我々を敵視してくるんですよ!
先方さんのマークどころか、こちらがマークされた上で、先方さんも知らないような事をこちらが探さなきゃいけないんです。
このままの状況で、どうやってアメリカや韓国へ行くんですか?
大使館や領事館の連中も既にマークされた、と考えて間違いはありません。
こちらから懐へ飛び込みましょう!
今なら、若干の制約がついても、まだ動けます。
米・韓やEUが、我々日本政府が“ニホンオオカミ”の情報を一切把握していない事への批判を公式に表明する前になんとかっ・・・」
柳田の言葉は、突然その場に割って入った畠田の上司である、衛藤に遮られた。
「柳田、先程、韓国政府が公式に声明を発表した。
今回のテロ事件に関して、日本政府が把握し得る“ニホンオオカミ”の情報の一切を韓国側に公表しろと。
仮に情報がなければ、韓国の捜査当局主導の下、捜査に協力しろと、言ってきた。」