衛藤の顔は怒りに満ちていた。
「韓国が言って来た事は、明らかに内政干渉だ！日本は今回のテロに一切関与していないし、する訳がない！たとえ、犯行グループが“ニホンオオカミ”と名乗ろうが、奴等が日本人である確証もなければ証拠もない！
韓国人が“ニホン某”に大勢殺されたからと言って、直ぐ様日本政府を疑ってくるとは、筋違いも甚だしい。
この後、日本政府も間もなく声明を出す。」
柳田は複雑な表情で現実を受け入れた。
「日本政府は韓国政府の申し出を蹴る！」
衛藤が言い切った。
「総理は今回の件に関して一切の知り得る情報は率直に提供するが、それはアメリカ政府に対してだ。
韓国政府に対しては、情報は提供するが、韓国の捜査当局の下に降るつもりなど、更々ない！」
「知り得る情報とは・・・？」
柳田が小さく聞いた。
「何もない！だから、韓国政府に組みする事は何もない！
だが、日本としても、何も知らない訳にはいかない。こちらはメチャクチャ迷惑な濡れ衣を着せられたんだ。幸いアメリカは、日本に対して韓国ほど過剰な反応はしていない。
だから、日本政府、いやうち(公安)の対応はCIAやFBIと連携して情報を収集する。」
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