あれから一ヶ月が過ぎた...
静かな時間が流れた。
私は、あなたと買い物に行ったり、出来るだけ時間を共有して過ごした。
学校の話しは一切しなかった。
あなたは、日を追うごとに元気になり笑顔も見られるようになった。
料理を教えてほしいと言うので夕食を一緒に作ったりした。
そんな様子を見ていると、学校に登校出来そうだと思う程だった...
学校からは、事務的に手紙を届けてくれていたが最近では、ポストに入れて帰ってしまう。
家まで来たなら、どんな様子か聞いてくれればと思った。
この静かな日々は長く続かなかった。
不登校になり半年が過ぎる頃から様子が変わって来た。
最初の頃は、登校しなくて良い事で解き放たれた気持ちだったのだろう。
月日が過ぎて来ると、開放感から不満やストレスと言う形に変化して来たのだった。
精神的には、良くなくても体は病気ではない。
ずっと家にいると、大人でも変になって来る。
規則正しい生活も、昼夜逆転になって来た。
犬の散歩も行かなくなってしまった。
私が買い物や外に誘っても、拒否するようになって来た。
健康的な肌も、透き通るように、真っ白になって来た。
その間の話し合いで少しずつ判って来た事があった。
それだけが原因だとは言えないけれど...
幼い頃より、様々な習い事をしてきて、それぞれの成果を上げ、成績も良かった。
何事も努力していた。
わが家には、二つ違いの兄がいた。
この兄も成績が良く、進学校に通っている。
この兄を追うように娘は、頑張っていた。
ある日、学校で友達に言われたと
「なんで勉強するん?真面目に勉強するなんてダサい!キモい」
それを聞いた時に、とても嫌な気分だったと。
娘の在学していた中学校は地元でも不登校NO.ワンだと、後で知った。
この地域に、中学入学の時に転居して来たのだった。
門限がない家が多く、遊びに行って門限を過ぎて主人から叱られた事があった。
その時に遊んでいた子供さん達が門限がなく深夜まで遊んでいても叱られないと聞いてびっくりした。
自分だけ門限があるから、嫌だと言った。
誰とも遊べなくなるし誘ってもらえなくなると...