交差点に留まってしまった彼女を、説得するのにかなり時間が掛かってしまった。
だが、とりあえずは、天上界の扉迄連れて行く事が出来た。
その時だった!嫌な風が吹いた。
まずい!急いで戻らなければ!手遅れにならないうちに!
これは、誰かが別世界の者と契約を交わしてしまったようだ。
急いで見つけ出さなければ、訳解なのは、本人が契約をした事に気付かない事だ!
どうやら、本人は気付かないでいるようだ…、まずい!
コイツは見つけるのに、時間が掛かりそうだ…、手掛かりは影だ!
私たちから見れば、人の影は白い、だが別世界の者と契約した人の影は黒いのだ!
この契約の種類には二通りが有る、一つは本人の意志でする物、これは天上界に別世界より知らせが有る、この契約をした者は、死後に別世界へと送られる。
もう一つの契約は、本人の心中に生まれた怨みだ!しかも本人さえも気付かないほどの弱い怨みだ!
別世界には、人間にチョッカイを出したがる者が居て、その弱い怨みを増幅させ勝手に契約してしまうのだ!
この場合、本人だけでなく周囲も巻き込んでしまうのだ、本人が気付かないだけに始末が悪い!
今回は、その始末が悪い方だ、急がなくては!
うん?何かを感じた!
あの歩道橋の上だ!この子か?影が黒い!間違いない!別世界の者が来る前に速く結果を、そして、この子の守護霊に契約の解除をさせなければ…。
守護霊の力が弱いようだ、私も力を貸す事にしよう。
速く見つけられてよかった、本人の知らない契約で、別世界へ連れて行かれるのを、案内人としては見過ごせないからね。
仕事はまだ終わらない。