次の日、教室に入ると私と松本は噂の的になっていた。
『あの二人って付き合ってたの〜?』
『えー、あの二年の先輩は??』
あちこちから聞こえてくる。
何で直接聞かないんだろ…。
(付き合ってないし…!)
多分、昨日、一緒に帰ってたの見られてたんだろけど…。
…。
はっ!!
あの時の松本の顔思い出してしまった。
何かドキドキしたけど、あれはきっと気のせいよ!
昔飼ってた犬に似てただけっ!
何度も言うけど、私が好きなのは和也だけなんだからっ!!
「彩、顔怖いよ?」
そう言って覗き込んでたのは岸川ちゃん。
「や、意味わかんない噂されて…ちょっと強ばっただけ〜(笑)」
引きつった顔で無理に笑顔を作った私は、その後急いで和也のクラスに向かった。
もしかしたら和也の耳にも入ってるんじゃないかって…。
「和…っ!!」
和也の教室に繋がる廊下ですれ違った。
「どうした?」
あれ…??
反応がメチャ普通なんですが。
「あ、いや…こないだはゴメンね。あんな電話の切り方して…」
「んー」
和也は鼻で返事するとそのまま通り過ぎようとした。
待って!
待ってよ!?何でそんな反応?