僕の彼女は少し変わっている。どんなに好きでも一日しか付き合えない。
彼女の名前は絵美、十八歳僕の名前は歩、十九歳。絵美との一日はこうだ。
「はじめまして!貴方が歩君?」
「そうだよ、絵美ちゃん」
最初はぎこちなく、こうして僕達の一日が始まる。
「どこか行きたい所ある?絵美ちゃん」
「ちょっと待ってね」
と言うと絵美は一冊の手帳を取り出した。
「今日は植物園に行きたいなぁ」
そしてたわいもない話をしながら植物園に向かった。「わぁ!綺麗な花だねぇ」
満面の笑みを浮かべる絵美に僕は花の説明をした。
「詳しいんだねぇ!歩」
「まぁねぇ」
と僕は笑顔で答えた。
昼になり何を食べたいか聞くと
「今日はお弁当作ったからあそこで食べよ」
と絵美は植物園の中央にあるベンチを指差した。
「そうだね!」
そして二人で食事をしながら絵美は手帳に何かを書いている。そして家路につく最後に絵美と僕は。
「さよなら!歩」
「さよなら!絵美」
こうして僕達の一日の恋が終わる。
絵美には明日になれば今日の記憶が無い。手帳が無くなれば僕達の関係も続かないだろう。
半年後、彼女は言った。
「歩の重荷になるならこの手帳を取り上げて」
そして僕は………