次の日の朝は雨が降っていた。
晴天が続く中でめずらしく雨。
まるで今日の日にふさわしい嵐のような雨に僕は胸がいっぱいだった…
君がいない夜を越えて やがて辿り着いたEDENは虹が見える景色なのななぜか悲しくて
そばにいない過去になった鳥はもう捕まえられない…
「…そっか…。」
君を部屋に呼んで僕は昨日の話をした。
君はそう言って、少しうつむいていた…
涙がこぼれそうになるのをこらえながら
僕は必死で…
「別れよう…。僕じゃなくてさ…他の奴に幸せにしてもらって…下さい…」
「……うん。
そうだね…。今まで楽しかった…ありがと…。」
君は笑ってた…
いつも通りの笑顔で笑っていた……
「最後にお願いがあるんだけどいい?」
僕は真紀をじっと見る。
「ん?…何?」
「僕の名前呼んで…
最後に………。」
「…………………。」
真紀は僕を見て呼吸をして、息をとめた。
「………龍一……。」
今までよりも深く澄んだ声で名前を呼ばれて
目に涙があふれた。
これから、コンサートでたくさんの人に名前を
呼ばれても…
メンバーやスタッフや色んな人に名前を呼ばれても…
この声を思い出すから…忘れないから…
君はずっと笑顔で祝福をしてくれていて僕は複雑な気持ちでそれを受けとめていた…
でも、
二人きりの最後の夜。
僕は眠れずに真紀を見ていた…
真紀の閉じている目から一筋の涙がこぼれていた