うわぁー…スゴい混んでる。
土曜日の午前中、私は自分の家から程近い病院に来ていた。
待合室は、座る所が見付けられないくらい、人でいっぱいだった。
私は、覚束ない足で受付へと向かった。
昨日から咳がスゴい出て、ほとんど眠る事も出来なかった。
だから、マスクをして、冬物のコートを着て、目は真っ赤っかだった。
とはいうのも、その前の日に家族で出掛けた温泉旅行が原因だった。
もちろん温泉はスゴい気持ち良くて、サイコーだったんだけど…。
それだけに、皆で何度も何度も入ちゃって…。
でも、まだ四月だから、上がってくると意外と体が冷えちゃって…。
温泉入って、湯冷めして、それの繰り返し…。
でもね、家族で風邪引いたのは私だけなの。
みんなピンピンしてる。
弟なんて、今日も朝からどっかに吹っ飛んでったし…。
はぁーぁ…ついてないな。
私は席が空いてないか、待合室を見回した。
みんな、紅い顔や蒼い顔をしている。
その間を通り抜け、なんとか空いていたイスに腰を下ろした。