「おい!梶!おいってば!」そう言って自分に話しかけて来たのは中1からの親友の浦嶋柊一。運動神経は抜群で、顔もなかなかのものだが、ここ一番というときにちょっと頼りない男だ。
「なんだよ。そんなに叫ばなくても聞こえてるぞ。第一またお前とクラス一緒かよ…。」
「またとはなんだよ。これも縁じゃないか。楽しくいこうぜ親友。」
「とんだ腐れ縁だな。」と、二人で冗談で言い合ってるなか、一人の女子が柊一に近付いてきて、「そこ、私の席だからどいてくれない?」
ちょっと強気な言い方をしたこの女子は如月 楓という名前である。柊一とは小学校の時からの幼馴染みと聞いていた。色白でストパーのかかったショートヘアー。優しい瞳。とにかく美人というよりかわいかった。もちろん俺とは初対面だ。
「こいつ気は強いから気をつけろよ。」
と俺に囁くと、とさくさと自分の席に戻って行った。
「あいつ〜!初対面なのに…ねぇ?」
「あ うん まぁね。俺は梶本 新一。よろしく。」
「私は如月 楓。1年とき何回かみたことあるけど、こうやって話すの初めてだね。」
しゃべり方まで優しい…(柊一の野郎…どこが「気強い」だよ)
と、第一印象はそうかんじたものだ。