反吐が出そうなくらいに平凡な日常を自分は記憶では微かに、しかし事実確かに生きていた。
『ブロウクン・マイ・インペイシェンス』
自分が正統だとすればそうではなく、しかし異端だとすればそうではなかった。
自分が正常だとすれば、明らかにそうではないと言えるが異常かと言えば首を立てに振れるほど悲観的な人間ではなかった。
世の中とは自分に理解出来ないことばかりだった。
本当に、上げることが惜しいくらいくだらないことだ。
何故、一緒にトイレに行くのか。
何故、列の後ろで一人になることがそんなに嫌なのか。
何故、おかしいと手を叩くのか。
やはり、これらのことを何故かと疑問に思う自分が異常な奴なのだと思わずにはいられなかった。
それと同時に、もしかしたらこの自分の回りの者達が異常で自分はいたって正常なのかもしれないとも思わずにはいられなかった。
自分が一番理解しかねたのが、皆つまりは孤独を恐れているということだった。
何故、人とは、孤独をそんなにも恐れる。
何故、世間からつまはじきにあうことを避ける。
なんて、滑稽なガキ共だろう。
簡潔に言ってしまえば自分はそんな場所にもう嫌気がさした。
家、とは家族とは。
自分の中では只の自分が属している集団の一つでしかなく。
養ってもらっていたから死んだら困る、とかその程度だった。
扶養者は自分の否を認め無いような醜い者だったのでもう捨てていた。
本を買った。
扶養者と遠出をした。
銀行に行った。
準備は万端だった。