龍と狼32

武藤 岳  2007-10-25投稿
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「ソン!おるか?」

下からウンジュの声が聞こえた。


ソンスンもソルミも慌てTシャツを被り、ロフト状の二階から下を覗いた。


「おう、ソン!」

明るい表情のウンジュだったが、ソルミの顔も見えたので、ウンジュは少し慌てた。

「うわっ!昼間から何をやっとんねん!何を!」

ソルミがすかさず反撃した。

「何を想像しとんねん!変態っ!」

ウンジュは可愛い妹の突っ込みに笑い返しながら、手招きをした。


ソンスンとソルミの二人は下へ降り、テーブルでウンジュと向き合ってコーヒーを飲んだ。

「ソン、昨日のテロが起こってから、この辺をウロチョロしていた、公安とか警察がパッタリおらんようになったわ。」

屈強な体格で、黄色の布地に、黒色の草書体で“天下無双”と書かれたTシャツを着たウンジュが話し始めた。

「ソン、この間、棟方のボケがしょうもない事、言うてたやろ?うちを敵国扱いするっていう話が新聞に出てたやんけ。
あれから急にこの辺に、公安の連中が増えたんやけど、それが、みんなおらへんわ。」


「どういう事?」

ソルミが身を乗り出して聞いてきた。

「マークする連中が俺等以外に大勢できたっちゅう事やろな。」



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