「ソルミっ!大丈夫かっ?」
ソンスンが聞くと、ソルミは真っ青な顔をしていた。
「大丈夫」
ソンスンとウンジュはソルミの無事を確認するや否や、シャッターの外へ飛び出した。
市場に繋がっている商店街の方から、相当な勢いで黒煙が上がっている。
「今のは爆弾の音や!めし屋のガス爆発の音やなかったでえ!」
「爆弾テロか!?」
ソンスンは急いで倉庫に戻ると、拳銃二挺持ってきた。
「あほっ!これがホンマにテロやったら、もし職質されたら、こっちがヤバいやろ!」
ウンジュの一喝で、ソンスンはソルミに拳銃を渡した。
「お前は、此処にいろ」
そう言い残すと、二人は一目散に黒煙の昇る方へ走って行った。
現場に近付けば近付く程、救急車や消防車、警察車両のサイレンがけたたましく鳴り響き、頭から流血してながら助けを乞う人達や、道端に倒れ込み、絶命したと思われる人達で溢れかえっていた。
「イラクや・・・」
ウンジュが呟いた。
ソンスンもイラクを彷彿させる光景に、絶句した。
無傷の白人男性数人が現場から逃げるようにこちらに走って来て、二人にぶつかった。
『何かおかしい』
それは野生的な感覚だった。