龍と狼34

武藤 岳  2007-10-25投稿
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「ソルミっ!大丈夫かっ?」

ソンスンが聞くと、ソルミは真っ青な顔をしていた。

「大丈夫」

ソンスンとウンジュはソルミの無事を確認するや否や、シャッターの外へ飛び出した。

市場に繋がっている商店街の方から、相当な勢いで黒煙が上がっている。

「今のは爆弾の音や!めし屋のガス爆発の音やなかったでえ!」

「爆弾テロか!?」

ソンスンは急いで倉庫に戻ると、拳銃二挺持ってきた。

「あほっ!これがホンマにテロやったら、もし職質されたら、こっちがヤバいやろ!」

ウンジュの一喝で、ソンスンはソルミに拳銃を渡した。

「お前は、此処にいろ」

そう言い残すと、二人は一目散に黒煙の昇る方へ走って行った。


現場に近付けば近付く程、救急車や消防車、警察車両のサイレンがけたたましく鳴り響き、頭から流血してながら助けを乞う人達や、道端に倒れ込み、絶命したと思われる人達で溢れかえっていた。


「イラクや・・・」

ウンジュが呟いた。

ソンスンもイラクを彷彿させる光景に、絶句した。


無傷の白人男性数人が現場から逃げるようにこちらに走って来て、二人にぶつかった。

『何かおかしい』

それは野生的な感覚だった。



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