刈られた相手が宙に浮き、落ちた瞬間、鳩尾に体重を乗せて膝を入れた。
そして、背後に気配を感じた瞬間、意外な声が想定外の方向から耳に飛び込んだ
「ソン!」
ソルミの声だった。
ソルミが背後の男に急接近した瞬間、
「ハッ!」
一瞬の掛け声と共に、ソルミの華麗なハイキックが相手のアゴを割った。
さっき見せた、子供のようなソルミとは違う、闘う勇者を見た感覚になった。
ウンジュが、ワンボックスから引きずり出した男を、後ろから羽交い締めにして、ソンスンが胸ぐらを掴んだ。
「お前達は何者なんだ?」
男は不適な笑いを残すと、ギュッと奥歯を噛みしめた。
カチッ
嫌な臭いが漂い、男はダラッと全身の力が抜けた。
「カプセルかよ。こんなん仕込んでおくっちゅう事は、こいつらプロやな。」
「さっきの爆発は、こいつらの仕業なん?」
不安そうにソルミが聞いた。
「多分な」
ソンスンはソルミの手を引き、男の死体から距離をとった。
「おい、他の奴もみんな、噛んでしまってるわ」
「手がかりなしか・・」
ソンスンが残念そうに言った。
「そうでもないで」
ウンジュが妙な笑顔を、ソンスンに見せた。