『ごめん』
本心ではそう思っていたが…自分の正直な気持ちに嘘はつけなかったのか…口に出せなかった
彼女はびっくりした表情ではあったが…まんざら嫌という態度ではなく…そのまま身体を僕に近づけてきた
僕の方が動揺を隠せないのか…彼女と目を合わすことができなかった
彼女は悲しそうな声で
「うちのこと嫌いなん?」
と尋ねてきた
僕はすぐに『好きだよ』と言えばよかったのに…
『嫌いじゃないよ』
と…遠回しな言い方になった
しばらくすると彼女の会話と動きが止まった
僕は不安になった
「眠い!」
彼女は小さい声でささやいてベットへ移動した
僕がしばらくその場で横になっていると
「そこで寝たら風邪ひくで…ベットでねーや!」
彼女はそう投げかけてきた
僕が起き上がってベットを見ると…彼女はベットの右端に身体を寄せ…僕の寝る場所を作ってくれていた
高まる気持ちを押さえて恐る恐るベットに横になる
彼女の身体に触れないよう僕は左を向いてぱっちりと開いた目を閉じた
お互いの呼吸がかすかに聞こえている
僕の胸はこんなに騒いでいるのに…
すると…
彼女が向きを変え…
僕の背中に密着してきた
…僕はこのとき…もうすでに限界を迎えていた