ソンスンは、相手が射撃してきた方向を見た。
道路の先に、路上駐車の車両が三台停まっている・・・
『射角からすれば、あの車の辺りだ。何台目にいるのか・・・』
ソンスンは、向かい側のパトカーの陰に隠れているソルミに、指を指して指示した。
「一番前に停まっている車・・。あの車のエンブレムの少し左側を狙え・・」
ソルミは無言で頷くと、拳銃を取り出して、パトカーの陰から狙いを定めて構えた。
パンッ!パンッ!
パンッ!
三発目が三台の駐車車両の、先頭の車のエンジン付近に着弾した瞬間、大きい破裂音と共に、エンジンが爆発し、ボンネットが木の葉のように噴き飛んだ。
その瞬間、ソンスンはソルミの方へ飛び込み、拳銃を受け取った。
拳銃を構えた、その時、相手のスナイパーが、三台目の真ん中から飛び出した。
相手が銃を構える暇も与えず、即座にソンスンは発砲した。
パンッ!
一撃だった・・・
相手が悶絶しながら倒れこんだ。
ソルミをその場に待機させて、ソンスンは相手に近付こうと歩き出した。
『急所は外した。次こそ、正体を吐かしてやる!』
その時、相手の叫び声が聞こえた。