龍と狼40

武藤 岳  2007-10-26投稿
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聞き慣れない言葉だった。

『広東語だ!』

ソンスンが相手の叫ぶ言語に意識を取られた時、ソルミが叫んだ。

「ソン!手榴弾や!」

ハッとした時、広東語を話す、アジア系の男が倒れながらも、手榴弾を持ち上げてピンを抜く直前だった。


ソンスンは慌てて、来た方向へ駆け出して、ソルミに向かって叫んだ。

「伏せろーっ!」


叫んだソンスンもソルミが伏せたパトカーの陰に飛び込んだ。



ドンッ!!


独特の重低音と振動、そして爆風が、周囲と二人を襲った。


「ソルミっ!ケガはないか?」

「大丈夫。それより、怖いわ!こいつら何者なんや?」


ソンスンは無言で首を横に振り、ソルミを抱き寄せた。

「わからない。ただ、普通の奴等ではないし、北や日本の仕業でもないかも知れないな。」

ソンスンは、先程見つけた、クルアーン(コーラン)をポケットから取り出した。

『トルコ系のアメリカ人、クルアーン(コーラン)、広東語を話すアジア系の男・・・
何者なんだ?』



ソンスンとソルミは、まだ他に、“見えない敵”がいる場合を考えて、人混みを選んだ。

ウンジュの事が少し気掛かりだった。

『あいつは無事だったのか?』



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