レジェンド‐新世紀伝説 3

朝倉令  2006-03-21投稿
閲覧数[485] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 雷神



「ただいま」

門の内に食料の入った袋を下ろしながら、山際晋とビアンカは一息ついた。

「それ、解かないと人力じゃ運べそうにないね」


ビアンカの担いでいた荷物を指差して晋が笑う。

 50キロ程の穀物の麻袋を十袋にまとめ、荒縄でくくりつけてあるという代物で、そばかすのある愛敬溢れる顔立ちのこの華奢な娘が、軽がると肩に乗せて歩く光景は、すれ違う者達の注目を浴びていた。


「そうね」

気軽に言うと、ビアンカは素手で荒縄をねじ切った。




「あ、おにーちゃんおねーちゃんお帰りーっ」


玄関まで顔を出した子供達が数人、駆け寄ってくる。

「サンダー、留守番すまなかったな」


晋は子供達の背後から現れた長身の男に、声をかけていた。

 サンダーと呼ばれた男は、雷の精霊である。
 神界から降臨した彼は、『人類の未来』を守る使命を帯びていた。








投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 朝倉令 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ