また同じ夢を見た…
私の隣には小さな寝息をたてる娘と背をむけている主人がいる。
また同じ夢を見てしまった。
結婚3年目、娘ももうすぐ2歳、幸せなはずの毎日なのにやたらと彼が現れる。そう、夢の中で私は彼を激しく愛している。
彼と出会ったのは6年前の仕事の展示会だった。
隣のブースで暇そうにペンを回す彼に私は「売れてますか?暇そうですね」と最初に声をかけた。
少しイラついた顔で彼は私を見返すと「そちらもね」とぶっきらぼうに返事をした。
なにこの人、笑顔が嘘臭い…私の第一印象はこうだった。