「どうするんだ?コウ」
仲間が全員集合した
その中心でコウは
考えていた
「龍、奈菜、今すぐやってもらいたいことがある」
そう言って二人を呼んだ
話をすると二人は頷き
すぐにその場を去った
それを見届けてから
コウは残りの仲間達に
向き直った
「さて…俺達のすることだが…」
「うぉらぁ!!!隠れてんじゃねーよ!!!」
敵がバリケードをやぶって
次々と陣に入って来た
陣の中心まで向かう道に
コウ達がそれぞれ立つ
「ここから先はいかせねぇぞ!」
「せいぜい、いきがってろ!クソ餓鬼がぁ!!!」
また戦闘が始まった
(…待ってろコウ…もうすぐだからな…)
「だいぶ俺達の仲間をやってくれたらしいじゃねぇか?えぇ?」
立ちはだかったコウに
敵の一人が話し掛ける
「それはお互い様ですよ」
(龍…急いでくれ…)
「はんっ!そうだったな。だがそろそろ終わりにしようぜ?」
そういうと
そいつは力を込め
火の玉を吹き出した
後ろの奴らも
ボゥッっと火をはく
「疲れただろ?もう。苦しまないように一瞬で灰にしてやるよ」
そいつはコウに向けて
力を貯める
しかし対するコウは
なにも構えない
「どうした?本当に疲れちまったのか?いいぜ!そのまま逝かせてやるよ!」
そしてコウに向かって
大きな火の玉が
飛ばされた
「ヒャッハッハッハー!安心しろ。俺の最大級の攻撃だ!楽に死ね!!!」
火の玉がコウにぶつかる…
と思ったとき
ジュワァ…
一瞬にして
その赤い砲弾は
姿をけした
「なに!?」
コウが漂う水蒸気の中から
笑みを浮かべてでてきた
「…あれが…全力ですか?…すいませんね。消してしまいました」
ちょっとした皮肉を言う
「なんだと…?俺の全力の火玉を…消した…?」
「あなた方のことは聞いたことがありますよ。鬼の火炎軍…でしたっけ?戦争をした国は何も残さず焼き尽くすという…」
「そうだ!俺達は何十もの国をおとしてきたんだ!」
一瞬ひるんだものの
また火の玉を飛ばす
しかし今度は軽く
コウに指の先で
あしらわれただけで
それらは消え去った
「術というのは使えるだけでなく活かさなくてはね」そういうとコウは
スッと手をあげた