雷神
「いや、私は別に構わないが………人類の未来達(子供)の前で乱暴な行為に及ぶのは、気がすすまない」
いつのまにかサンダーのこめかみから、青白い電光が走っている。
真っすぐに山際晋とビアンカの背後を示したサンダーの指先から、巨大な稲妻がほとばしる。
ババッと稲妻が命中すると、薄汚れた男達が門の上から降ってきた。
「付けられてたのか…」
先刻、襲ってきた男達の一味の様だ。
全員打ち倒した訳ではないが、追ってはこないとタカをくくっていたため、背後を気にしていなかった。
「私も手伝おう……」
静かに言うと、サンダーは食料を運び始めていた。