エターナルコア プロローグ

姫乃 真咲  2007-10-28投稿
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西暦2232年‐
地球における化石燃料は枯渇し、新たなエネルギー供給源を求め、人類は迷走を続けていた。
後に第四次世界大戦゛核戦争(アトミック・ショック)゛と呼ばれる戦争が勃発。
僅か14日間で終結したこの戦いは、史上もっとも核兵器が使用され、地上の1/3が焦土と化し、総人口の1/2の命を失う最悪の結末を迎えた。
勝利者のいないこの戦いは、世界から戦争と核を一時的に根絶する。

核利用禁止条約と半永久的軍事力放棄により、人類は歴史上初めて統一国家の設立に成功した。

西暦2284年‐
核戦争暦(AS)52年‐
世界統一国家゛LAP゛の誕生から50年立ち、世界は再び迷走を始める。
新たなるエネルギー供給源として軌道衛星ステーションの建造に成功し、
太陽光をうけ素粒子の運動エネルギーを感知し、半永久的に回転・加速し続ける発電用タービン、通称・永久機関(エターナルコア)による電力供給を得る。
それに伴い、定期的に宇宙からのエネルギー供給を得るために、地球上に6本の宇宙へ続く塔が設立される。
その6本の塔を中心にLAPは6つの勢力派閥に分断された。

各塔派がエターナルコアからの電力供給占有権を賭け、地上は再び論争から武力抗争へと発展した。事実上、半永久的軍事力放棄は取り消され、争いのない世界は僅か半世紀で終わりを告げる。

軌道衛星ステーション維持分の電力10%を除く残り90%のエネルギー分配率を決める戦争縮図ゲームを立案。形式上、命を奪い合うだけの戦いではなかった。
ルールはシンプルで、ある一定範囲を戦場に設定し、同数の軍事兵器を配置、制限時間内に敵本拠地の制圧あるいわ撃墜数で勝敗を決する。
言わばチェスの拡大版のような戦いである。
当初は戦闘機や戦車といった単純な兵器が主流であったが、時が進むにつれその形は人型に変わっていった。

人型機動兵器。
ピースフレームと呼ばれるその機体は、攻撃の自由度、機動力の充実、地形適用の高さ、どれをとっても今までの兵器を軽く凌駕していた。
以降PFの登用により、戦線は激化していく。
一方、スポーツの様な感覚で人々に浸透していく。

いつしかこのゲームは、当初の目的の他に派閥の威信と政治的な支持率を保有する為のものとなっていく。
それは歴史上もっとも永きに渡る戦争の幕開けだった。

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