自分の意志で荷馬車に揺られてゆく僕らは
窓の外を眺めて思うんだ
かさぶたの様な
青い空に張りついた白い月を見て
あれを剥がしてしまいたいけれど
剥がしてしまったら血が流れてしまうんだろうなと
透明のガラスと遠い距離を隔てて
もう本当にあるかなんてわからない幸せを夢見て
僕らは売られてゆくんだ
この電車は少しでも
あの月に近づいている?