龍と狼51

武藤 岳  2007-10-29投稿
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『無茶苦茶だ!』

ソンスンは心の中で叫んだ!

影も形も判らない連中を、どうやって棟方と一緒にさせるのか?

「近日中に・・・」

ソンスンが動転している間に、相手の話は続いた。

「私は、近々、先日のサンフランシスコでのテロ事件の追悼セレモニーに出席する為に、アメリカへ渡る事になる。
その式典には、日本の彼も、アメリカの国家元帥も、いや、世界の指導者達が出席する」

ソンスンはハッとした。

「と、言う事は?」

「ニホンオオカミの奴等にすれば、格好の舞台だと思わないか?
世界中の指導者を一気に抹消できる、叉とないチャンスだと思わないか?」

「し、しかし、ご自身にも危険が及ぶ可能性が・・・」

「大きな成果には、リスクは付き物だよ。
それにだ、韓日首脳会談も行うつもりだし、棟方をフリーにさせる機会なら、幾らでもある。」


「お言葉ですが」

ソンスンに疑問が湧いた。

アメリカや各国の政府だってバカじゃない。

テロを警戒して、厳重な警備体制を敷いてくるはずだ。

連中がそう簡単に、テロを仕掛けられる、いや、その前に忍び込む事ができるのか?

「奴等は必ずテロを仕掛ける。」

自信に満ちた声だった。

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