リフェード4

サス  2007-10-29投稿
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後ろで手を組み老人は笑みを浮かばせる。
『そんな怖い顔で近寄るでない!』
とロウを皮肉たっぷりに制す。そんなロウは顔を赤く染め咳払いをする。
『そうか今日は模擬戦じゃったのぉ。忘れておったわい』
偉人はそんな気の抜けた言葉を話す。
『物騒な物はしまわんか?ボケっとしとらんとな。』
戟と剣を交差させたまま蛇に睨まれたように固まっていた二人がはっと我に返る。
初めて空間転移を目の当たりにした二人。そうなるのも無理はない。
『じいちゃんすっごいねぇ♪どうやったの?』
なんてこの少年は無邪気なのだろうか。年老いて尚最強、最高権威の魔術師にそう笑みを浮かべ言う。
『こ、こら!ゼフ長老御無礼をお許しください』
ロウが少年を無理矢理頭を下げさせ自分もそうする。
『そんなの気にせんよ。ふぉっふぉ』
髭をさすり笑みを浮かべる。少年とは違う和む笑顔だ。
『そういえば、丁度よく三人集まっておるの。お前さん達には…』
それから一呼吸ほどの間を置き言い放つ。
レイスとグレンはこの偉人が何を言うのかと期待と困惑の表情を垣間見せる。
恐らくロウはこの先の事を知っているのだろう。その二人を見て不適な笑みを浮かべる。少年は地べたにぺたっと座ったまま。
『チームを組んでもらう』
白く伸びた片眉を吊り上げそう言い放つ。普段は見えない眼孔が目に入った。

時が静寂に包まれる…





『えぇええぇぇぇっ!』
『なぁぁあぁにぃぃ!』
またも声が重なる。その声は天の神にも届いたであろう。

ロウは予想通りの展開に口元に手を当て肩を揺らし笑ってる。少年は理解していないのかキョロキョロと二人と教官を交互に見ていた。
『なぜこん奴と!』
『なんであの野郎と!』
双子でもここまで息が合うのだろうか、終始見事な合唱をする。
『以外と息が合うと思うがの?』
教官へと目をやる老人。目は他人に見えないから顔だろうか。
『まぁそう言う事だ。仲良くするんだぞ?』
未だに口元がにやついてる。鬼教官に意見をした所で決定が覆る訳がない。長年の付き合いからの二人のカンや本能がそう言ってる。
二人は俯き目を合わせようとしない。少年は明るくロウのその問いに返事をする。
『そうじゃ、チームの名前は…』
ごそごそと懐や袖をまさぐり白い三つ折りの便箋を取り出した。



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