だが、初めて仲間の死を−アリアの死を見てから、俺のそうした割り切る心には亀裂が入ったらしい。情けないと自分で思いつつ、どうすることもできない。こんな俺にフランカを殺すなど−…
「できるのか…?」
そう呟いてすぐ、俺は口を押さえた。
−何言ってるんだ、俺は!できないなんて言うな。俺に選択権はない。やるしかないんだ。フランカ一人殺せなくてどうする。俺は自分で自分の弱さが信じられなかった。
「…今日は、どうかしてる」
アリアの夢を見た後だから、妙に感傷的になってるだけだ。
「何がどうかしてるの?」
俺はばっと振り返った。