朝食をすませ母に学校まで送ってもらう。
江ノ電を横目に海岸沿いを少し走り、大分年期の入った校舎が見える。私立湘南美濃学院。
私の新しい学校。
「歴史のある由緒正しい学校だから、とにかくここで頑張りなさい。」
車を停め、校舎を眺めながら母が言った。
正直、どうでもよかった。
両親はとにかく私を真面目ないい子にしたいだけ。
私はそんな両親に答えるように今までだって真面目に生きてきた。
塾にも通った、英会話もした。夜遊びもほとんどしない。
クラブとかには興味がないし、ガチャガチャした音楽も嫌い。
化粧も眉毛とマスカラとグロスで十分。
厳しい校則でも特に困るコトはない。
「うん。ありがと。」
ドアをバタンと閉めた。