リュウの父親の裕史(ゆうじ)さんは、私の母の腹違いの兄である。 ″歴史は繰り返す″という言葉があるが、裕史さんにもまた、愛人がいた。 「…元々、家どうしが決めた結婚だったんだよ。あの男は母さんでなくても誰でもよかったんだ。…でも、母さんは本当に…」 「…愛してたんだね。そうでもなきゃ、こんなに才能に溢れてた、デザイナーの道捨ててまで、結婚しないよ…」 私はリュウがぼんやり眺めていた、古びたスケッチブックに触れた。
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