ある雪の夜、父さんは酒に酔い、危なげな足取りで帰ってきた。母さんは心配そうな表情で、どうしたのかと尋ねた。
僕はなんとなく自分と風樹の二人部屋に逃げ込んだ。風樹は布団にくるまって眠っていた。
そして少し扉を開け、二人のやりとりを聞いた。どうやら父さんの部下が大きな手術ミスをして、酷く責められたらしい。
少しして父さんと母さんは口論になった。その声で風樹が目を覚ましてしまったので、僕は心配ないよ、と言って風樹の頭を撫でた。やわらかい髪が心地良い。
ふと僕は、いつの間にか扉の向こうが静かになっていることに気付いた。僕は恐る恐る扉を開け、顔を突き出した。
そこには、信じられない光景が広がっていた。