5月に修学旅行があった。美衣は残念ながらすばらしい3日間を彼の存在を忘れて過ごしていた…。
修学旅行が終わって,クラスの人とも仲良くなってきてみんなの名前もだいたい覚えた。
…彼の名前以外は。
違う意味で彼は特別だったと思う。良い方じゃなくて悪い方の特別。
もう6月に入ってクラスにめっちゃ溶け込めるようになってきた頃,彼の思い出は授業中の課題発表の時,彼を見た美衣の一言。
「あんな人いたっけ??」
……本当に申し訳ない↓↓
7月の半ば。あと2週間で夏休みっていう時。今でもなぜか忘れられない7月9日。席替えをしてみんなが自分の席の不満をぶつけ合っていた。
「実佳なんか周りまったく前と一緒!!」
実佳はたまに話すくらいの友達。たまたま席が近くなったから話していた。
「だって宗典と飯田クンは前も近くだったし。」
……飯田クン!?
彼の名字を初めて知った日,7月9日。
「あの人飯田っていうんだぁ〜。」
軽くその日は記念日になっていた。もちろん,この日は恋に発展しちゃうなんてまったく,いやまったく!!思いもしてなかったけど。