見送る者の悲しさ、去り行く者の悲しさ、互いの想いが交差する。
時々こんな事が有る、不意に体から心が勝手に抜け出し、一人歩きをしてしまう事「幽体離脱」だ。
その男は悩んでいた、仕事に悩み生きることに悩み、今日をどうするか?明日をどうするか?そして、愛する家族の事。
自分と言う存在は、本当に必要なのか?そんな事を自分に問い掛ける。
そんな時、私は彼の問いに答える、「全ての答えは、あなたが人間界に産まれた事、それが答えです」
人間界に必要無ければ、産まれる事は無く、存在の必要も無のだ!
何故、生きる事を急ぐのか、ゆっくりで良いはずなのに…、急ぐから悩んでしまう、人は急ぐようには造られてはいないのだから。
「幽体離脱」は余り癖にしない方がいい、体に戻れるうちはいいが、戻る事が出来なくなったら、中途半端な存在になってしまうしなにより、戻す手伝いをする私が大変だ。
だが、この早い時代の流れが、自殺と言う悲劇を生み出している事は間違無い事実であるが、決して選んではならない、それこそ、闇世界からの甘い誘いに簡単に乗ってしまう事になる。
自殺を美化したような言葉、自殺のすすめ、自殺の誘い…。
冗談じゃない!ふざけてもらっては困る!命と言う物、生きると言う事をもっとしっかり考えて欲しいと思う。
人間そう簡単には死なない、そして簡単には死ねない。
残された者の事を考えて欲しい、そしてなにより、産まれた事の意味を、産まれたと言う事、それは必要とされている事、決して忘れないで欲しい。
私は案内人
仕事はまだ終わらない。