たれまに〜Anniversary〜(19)

じゅりあ  2007-11-01投稿
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張り詰めた空気が流れる中、俺と松本はお互いを直視していた。

「中途半端な事、しないで欲しいですね…」

奴が何を言わんとしてる事は俺にもわかる。が、俺はあえて聞き返した。

「何に対して言ってるんだ?」

松本は険しい表情をする。
「アンタは知ってか知らないでか、アイツが泣いててもどうしようともしないじゃないすか」

(彩が泣いてる…?)

「……」

黙る俺に

「どーゆうつもりか知らねぇけど、見てられねぇんすよ!」

荒々しく言い放った。

確かに最近時間がなくて、構ってやれる事が減ってた。
けど、泣く程の事があったか?と俺は記憶の線を辿っていく。

そうしているうちに、相手は話を進めていた。

「アイツは俺が貰いますから…
それだけです」

松本は俺に背を向けこの場から出ていった。

パタン!

ドアの閉まる音だけ響いて周りは静寂に包まれる。


俺、何やってんだ?

アイツの笑った顔が見たくてこのバイト始めた筈だったのに…。


「泣かしてどーすんだよ…」
自分自身の腑甲斐なさで俯く。

しばらくはホールに戻る事が出来なかった。

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