その時、柳田とチャンホは、同じ異変に気付いた。
『誰もいない!?』
さっきまで、ジョギングや散歩をしていた人達などがいたはずなのに、今は誰一人として見当たらない。
静けさだけが残った。
柳田とソンスンは、それぞれのメンバーに小さい声で警告した。
「やばい・・・。散れ!」
パーン!
五人がその場を一斉に離れようとした瞬間、乾いたライフルの発砲音が轟いた。
公園の茂みに飛び込んだ柳田が振り返ると、鹿井がうつ伏せになり、絶命していた。
「鹿井ーっ!」
真矢が叫び声を上げて、鹿井の屍に駆け寄った。
「行くなっ!真矢っ!」
パーン!
柳田が叫ぶのと、ほぼ同時に、またもライフルの銃声が響き、真矢はこめかみを撃ち抜かれた。
「やばい!」
同じく茂みに逃げ込んだソンスンとチャンホは、目の前で起こった狙撃劇を目の当たりにして、体が硬直した。
チャンホは、CIAからレンタルした拳銃をソンスンに渡した。
「プロに渡した方がよさそうだ」
その時、チャンホの体から、携帯電話の着信メロディが鳴り響いた。
その瞬間、二人のいる茂みに、マシンガンの銃弾が雨あられのように撃ち込まれた。