(私、何やってんだろ。)
―――――――――早く、その子のところに行ったらどうなの!?
(ただ、尾高に好きな人がいるのを知って・・・。何キレてんのよ!!私には・・・関係ない。)
由成は、ただただ雄を思う気持ちが強まるのを感じた。でも、思っていても届かない。言ったところで届くはずがない気持ち。
(曲がり角の気持ちだ・・・。)
次の日の学校では、はっきり由成に近づくものは実奈以外いなかった。
「ちょっとぉ?由成ぃ?死んでるよぉ?大丈夫ぅ?」
「無理。」
「って!!漢字2文字で終わらせないでよ!!!!」
「無理。」
「あんた、今自分がどういう立場にいるかわかってんの!?」
「わかんないよぉ。」
由成は、実奈の話が頭に入らない。適当に相づちを打っているだけだ。
「全く。」
実奈は、携帯を取り出すと誰かに電話をかけた。
「もしもし?」
『もしもーし!!聞こえてる、OK、OK!』
「そっちはどう?」
『どうもこうも、全くもって死んでるよ。そっちは。』
「そっちの台詞、そのまま返すわ。」
『2人とも、何やってんだかねぇ。』
「ほんと、あきれるわ。んじゃね、ガッコーで。」
『ああ。』
「誰と話してたの?」
「内緒。ほぉら!!行くよ!」
実奈はグングンと由成をひっぱった。