龍と狼71

武藤 岳  2007-11-02投稿
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「ケビンが会長職に就任して以来、FBIは、度々CIAから妨害を受けるようになったわ。」

柳田は流れ行く車窓に目をやり、アイリーンの話を聞いていた。

「そして、今年になって、ペンタゴン(国防総省)長官がライアン・スチュワートに代わってから、ペンタゴンは、スチュワート家やSW&社に関する内偵をCIAに一本化したの。」

「“ライアン・スチュワート”って、もしかして・・・?」

「そうよ。スチュワート一族よ。ケビンの叔父さんにあたる人物ね。」

「簡単に言えば、締め出された訳だ」

「そう言う事になるわね」

二人のやり取りを聞いていた、ソンスンが横から口を挟んだ。

「ケビンとは何者なんだ?」

「ボスに一番近い男だよ」

ソンスンは慌てて、柳田の方を見た。

「ニホンオオカミのボスを知っているのか?誰だっ?そいつは?」

「まだ、決まったわけじゃあないんだ。証拠もない。ただ、可能性があるだけだ。
仮にケビンがオオカミだとしても、今の話を聞いていりゃ判るだろ?
CIAが・・いや、ペンタゴンが敵みたいなものだ。まともな局員は皆、買収されたか、消されたかのどちらかだ。」

そう言うと、柳田はソンスンをじっと見た。



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