ニXXX年
世界の8分の1がグルーク大公国に支配されている時代。
グルーク大公国は、ユグド・ヴァン・バルドゥク・ラフュダウェル公のもと、反抗をしめす国々へ侵攻していった。
初代グルーク・ヴァン・バルドゥク・ラフュダウェル公は、国家は力有る者に支配、統治されてこそ初めて国家として民を治め、機能するものである。と表明し、自らの理念に基づき、ラフュダウェルが力無き者に支配されていると主張する周辺諸国家に侵攻していった。
諸国家は、グルーク・ラフュダウェルの思想を危険なものとしてグルーク公国の侵攻に対し、徹底抗戦を表明した。
グルーク公国は圧倒的な武力を保有していたが、国内での過激な反乱の鎮圧のために消耗し、周辺諸国家の抵抗に対して思う様な戦果を上げる事は出来なかった。
そんな戦争の最中にグルーク・ラフュダウェルは病に倒れ、58歳で他界した。
当時32となったユグド・ラフュダウェルはその後を継ぎ、指導者として周辺の敵対関係にない国家を懐柔し、国名をグルーク大公国と改め国家を率いた。
ユグド・ラフュダウェルはその才を見せ、不利と思われた戦いを覆し、数年の内に周辺諸国家を征服していった。
グルーク大公国の侵攻に脅威を感じた諸外国は、抗戦を続ける国家との間に協定を結び、協定に加盟した国々を合わせて連合国としてグルーク大公国、元首ユグドによって奪われた周辺諸国家を解放するために戦うことを表明した。 ユグドは様々な才を見せ、戦車などを駆逐するのに有効であるとして人型機動兵器ネオ・ナイツ(以下N・K)の開発を急がせた。
その威力は数ヵ月後に発揮されることとなった。
連合国軍の大反抗作戦が開始されようとしている中、グルーク大公国元首ユグドはN・Kの実戦投入を決定。連合国軍はN・Kの前に大敗、敗走した。
数年の内にグルーク大公国は支配領域を拡大し、世界の8分の1を支配するまでとなった。
大公国を離反する者達は、連合国に従属する形でレコンキスタと名乗り、国土解放に参加した。
連合国は亡命した機械技術士達を雇い、その技術を吸収し独自のN・Kを開発するまでに至った。連合国のN・Kは大公国の所有するN・Kに匹敵する戦闘力を保有、戦闘に投入された。
両者は均衡を保ったまま……戦争はその終わりをみせなかった。