夏の暑い日。
ここから運命が大きく変わっていったのかもしれない。
嘘から繋がった関係。
だからいつまでも、偽りでしかないのだろうか。
たくさんシフトに入り、友達も出来た。
仕事も出来るようになり、後輩も出来た。
より、彼との距離が縮まっていくのを感じた。
友達と飲みに行くとき、必ず誘った。
社員さんだから、と言って。
ほんとに毎日のように。
そして、私は先輩に、彼のアドレスを教えてもらった。
「今日のミスを謝りたいのでアドレス教えてもらえませんか。前に聞いたの登録し忘れてて」
前、なんてない。
一度も聞いたことなんてない。
でも、ほんとにミスしたこと謝りたくて。
そして同じくらい彼との繋がりを欲していた。
いいチャンスだと思った。
早速彼にメール。
「前アドレス聞いたとき、メールしてませんでしたよね。○○です。今日はすみませんでした」
彼は、優しくフォローのメールを返してくれた。
それから、事あるごとにメールをした。
理由をみつけてはメールをした。
映画の話、カクテルの話、仕事の話。
それに彼は、一言二言程度の返信をしてくれた。
そして、私の中で、もう止められなくなっていた。
暑い季節も過ぎ去り、ほのかに金木犀の香る季節。
仲良くなりたかったのは私だけだったのかもしれない。
私は彼の運命すら、変えていってたのかもしれない。