ようやく笑いが治まった頃には、空は夕焼けと夜空のコラボレーションを奏でていて、とても美しい空だった。
「ねぇ、凌駕。僕は思うんだけど…」
僕は空を眺めながら言った。
「何だよ?」
「人生に三度、モテ期が来るんだとしたら…幸福と不幸の回数も決まってるんじゃないのかなぁ?」
凌駕は、僕の言ったことに不思議そうな顔をした。
「僕らには、人生で起こりうる不幸が一気に起こってるだけなんだよ。きっと、この辛い期間を乗り越えたら…幸福がたくさんある気がする。」
凌駕は何も言わなかった。
「この世界はまだ、全部腐ってしまったわけじゃないだろ?僕らは、変えていかなきゃならないんだ。僕らは多分、それだけの力を持ってる。ごみ捨て場にだって、まだ使えるものがたくさんある。それと同じだ。僕らは、それを見捨てちゃならないんだよ。」
凌駕はしばらく黙って考え込んでいたが、やがて微笑んだ。
「お前…また良いこと言った。」
この台詞は三回目だが、今までとはどこか違った。
凌駕の微笑みには、確かに希望が満ちていた。僕らは空を仰いだ。
まだ少し明るかったが、そこに星たちは儚く煌めいていた。
それは、まるで僕らのようだった。