クソッ!…俺はイラついていた。
消毒クセー病院の待合室…。
畜生ォ!…なんでこんな混んでんだよ。
病院なんかに来たのはガキの時以来だった。
もう十年は来てねーと思う。
別に病院が嫌いってワケじゃねー。
たまたま病院に来るほどの病気になってなかっただけだ。
そりゃーたまには風邪ぐらい引いてたけど、今までは不思議とすぐに治ってた。
だけど今回はそうもいかなかった。
熱は下がんねーし…下痢は毎日続くし…咳は日に日に酷くなるし…。
それでも病院に来ることには少し躊躇した。
躊躇した原因…それは…。
今の俺のルックスだ。
真っ青に染まった髪…顔は耳に鼻、目蓋、口に舌…至る所にピアスをしてる。
鋲打ちのライダースに鋲ベルト、ボロボロのスリムジーンズにドクターマーチンのブーツ。
見えやしないけどカラダにタトゥーだって入ってる。
俺にとっちゃこれが普通なんだけど…まぁ正直病院では場違いだと思う…。
周りの奴等には奇異なもんでも見るような眼でジロジロ見られるし…。
慣れちゃいるし分かり切っちゃいたけど…。
それにこの…人…人…人…。
クソがッ!…屁も出ねーよ!