アタシには二人の兄がいる。一番上の恭一はショップ店員をする22歳。二番目の亮は高一まで元ヤンだったのに今では国立大学に通う19歳。ほんとに亮クンは高一でヤンキーをやめてくれたから良かった。
「今でも微妙に名残があるから椿、恭一クンには頼みごとできても亮クンにはできないもんね。」
苦笑いをしながら秀が言った。
「そぅいえばもう何回も椿の家言ってるけど二番目のお兄さんにはあったことないわねぇ。」
鈴子サンが思い出すように言う。
「亮クンほんとに遊び歩いてるから家にいることの方が少ないからねぇ。でも大学の成績も良いんだよ〜。」
ほんとにいつ勉強してるのか知らないけど亮クンは頭の作りが違う。
「それ質悪いわねぇ。藍治みたい!」
鈴子サンが藍治を見ながら言う。
「オレ!?!!オレ遊び人じゃないもん。」
「あ〜そぅかも!!!藍治と亮クンて同じ系統じゃナイ!?」
アタシは隣に座ってる秀に向かって言った。
「元ヤンなところ以外そうかも…」
その時チャイムが鳴った。8時55分のチャイム。これが鳴ったらアタシたちはそれぞれの教室に戻る。
「あれ……裕太遅くない??」
皆生徒会室のホワイトボードの上にある掛け時計を見る。