「あれ?スルー??」
かずま君の横を通り過ぎた。
「ジュース買いに行くの」
恥ずかしくて顔も見れなかった…
「じゃあ俺も♪行こう☆」
「あ…でも和美も一緒に」
「いいじゃん。俺がいるから♪後で来るよ☆」
後ろを振り返りながら歩いた。
何も話さなかった。
隣に並んで歩いてるこの時間が止まればいいと思った。
彼女のことすっかり忘れてた。
自販機の前。私は行動が止まった。
「…さっちゃんってもしかしてどれもいい!!ってタイプ?」
やっと話しをしてくれた。
「うん。全部いいから一つって決めるの難しい…」
「笑。兄ちゃんと似てるかも。」
「お兄ちゃんいるの??」
「うん。俺と正反対で硬派な兄ちゃん☆じゃあ…同時に押そう。俺この辺押すから☆」
「うん!」
「せーの!!」
ガコン…
出て来たのは私が好きなバナナジュース。
「ほんとにこれでよかった??」
「うん!これ大好き☆」
「よかった。」
和美が来た。
「置いてったねぇ〜」
「ごめん!俺が連れてきた。」
それから3人で少し話した。
「俺このくらい身長の彼女がいい。」
そう言って自分の肩に手をやった。
「さっちゃん来て。…あ!ピッタリ☆」
「よかったねさっちゃん♪」
和美がほんとに嬉しそうにしていた。
「わぁ〜い♪♪」
「かわいい」
かずま君は平気に言ってくる。
「彼女欲しいなぁ」
「え…?」
「俺もう…6ヶ月くらいいない。」
(友達が言ってたのは?斗麻が言ってたのは?どうしてうそつくの…?)
もやもやしたまま実習は終わり、もちろん学校でもかずま君は話しかけてくれた。
みんなにするように、頭ポンポンしてくれたり…
「ぼちぼちつくればいいじゃん。」
そう言われた時、やっぱりムリかって思った。
かずま君には私が見えてない…
メールで好きな人の話をした。でも途中で流されたから、次の日に聞いた。
「好きな人ってどんな人?」
「あぁ続き?天然っちゃ天然。」
私は一瞬喜びそうになったけど、もう天然って言われなくなったし、私ではないことに気付いた。
ある土曜日、彼は部活の試合だった。
『おはよう☆頑張ってね』
『うん☆ありがとう』
そしてこの日約束した…