「だークン休む時メールくるのになぁ。」
藍治が怪訝そうな顔で言うとすかさず鈴子サンが突っ込んだ。
「何で裕太がだークンなのよ。」
「羽祢ダークンだから。」
「何か、何でか納得してしまった…」
秀が椅子を立ちバックを肩にかけながら言った。皆秀に続いて立つ。アタシはお気に入りのくすんだピンクに近い赤のand Aのリュックをからい、鈴子サンと藍治もそれぞれの荷物を持って生徒会室を後にしようとする。
藍治が最後に鍵を閉める。ここはアタシたちの私物で溢れかえっているから念のため。
実をいうと鍵は皆それぞれ合い鍵を持っている。もちろん学校には秘密。
だけど藍治の持っている学校直属の鍵以外を使うことなんて殆どない。
生徒会室に一番に来るのは藍治だし、帰りも藍治(と裕太)のクラスのホームルームが一番早く終わる。
「裕太大丈夫かな…」
アタシは皆と教室のある階へ繋がる階段を上りながら言った。
始業ギリギリなので登校してきた生徒でざわついている。
「寝坊とかだと思うけどねぇ。」
アタシの前を歩いていた秀が振り返って言った。
アタシはいつもそぅ。生徒会メンバーが誰か一人でもいないとなんだか落ち着かない。アタシたちは5人でいつもいるべきなのよ。