【横内信次】
「ヨコウチシンジさん…?」
名刺にはそう書いてあった
「はい、私全日本陸上の…」
「陸上!?」
私は耳を疑った。
「あんな、何したの?」
…私も分かんないよ。
「あんなさんのタイムは素晴らしいです!本格的に陸上を始めたほうがいい!」
どうやら私はものすごく足が速かったらしい。
横内さんの熱狂的な話により、私は何でだか陸上を始める事になった。
「あんな〜今週どっか行こうか?」
「あーごめんっ!!記録会があるんだ…」
「え〜またぁ?」
「ごめんね、真依君」
「いいよ、じゃあ今日は一緒に帰れるよね?駅前においしいクレープ屋さんができたんだって…」
「ごめん、今日もこれから練習だから」
私が陸上を始めてからというもの、私と真依君の間には大きな溝ができてしまった。
「それは良くないよ!!」
「…やっぱり?」
私は陸上でできた友達玲に言い切られてしまった。
「じゃあじゃあ!!」
玲が目の前に乗り出してきた。
そして小声で
「じゃあ…もうずっとHもしてないの?」
ブッッ!!
私は飲んでたコーラを一気に吐き出した。
「Hって…したことないよι」
「えぇえ!?」
続く