机の上の568円を雑に拾うとノブオは自分の財布の中を覗いた。
「もしかしたら…俺、確か昨日 爪切り買おうと思って残しておいた300円がある…はず…。」
財布の中を覗いたノブオは愕然とした。
「そうだった、俺、結局コイツを買ったんだっけ…」
そう呟くとノブオは くわえた煙草に ゆっくりと火を付け……?
カチッ!カチッ! 「ん…?」
カチッ!カチッ! 「あれ?」
カチッ!カチッ!カチッ!……。
ガス欠だった…。
何度も何度もライターを振ってみたが二度と火が着く事は無かった。
ノブオは泣いた…
本日2度目だ
「俺…呪われてんのかなぁ…」
涙をハンカチで拭いてポツリ呟くと、そのハンカチも昨夜自分が脱ぎ捨てた靴下だと気付いた。
ノブオは一刻も早く家から出たいと思っていた。
そして、あのとんでもない冒険へと導かれて行くのであった。
つづく…