純のこの出来事は実際の事である。このような事は、この病、統合失調症の症状のいくつかである。純は、幻聴や幻覚に苦しめられていた。そんな純の言動が可笑しいことに最初に気が付いたのは、純の姉であった。父や母は、年の暮れから正月にかけて母の田舎に帰っていた。純は、居酒屋でのアルバイトで内々の忘年会の後、高熱を出し寝込んでしまった。純の姉は嫁に出ていたが、同じ街に住んでいた為、純の食事などを買って、一人でいる純のとこまで正月前後、毎日届けに行っていた。純の熱も下がりかけていた。もう姉は安心していた。ところが事は、全然違う方向に進んでしまった。それが事の始まりだった。