キミを好きになれたァタシ

梨佐  2006-03-24投稿
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あれは私が中学生の時のこと。好きな人も彼氏もなく、それでも毎日が楽しかった。

初めてあの人に会ったのは初夏。中2の夏。部活に打ち込み、頑張る姿。とても印象的で今でも覚えている。一生懸命白いボールを追い掛ける彼は誰よりも輝いていた。

「晴奈、ボーっとしない!!!試合近いんだから。」
「痛っ‥‥、西川先輩」
西川法子。我がソフトテニス部の部長。西川先輩は私の頭をラケットの面で叩いた。

6月と言えば3年生の最後の大会、総体がある。私たちは弱小でいつも地区大会から上に進めないでいた。だから先輩たちは気合いが入っていた。もちろん私も。

「2年小宮山晴奈、大至急職員室へ来なさい。」
私の名前を呼ぶ担任の声。「晴奈、あれほどテストは真面目にやれ!!!って言ったのに‥‥。」
西川先輩に急かされ職員室へ向かった。

ガラガラ‥‥。
「失礼します。」
「小宮山、こっち来い。」
先生の少し仏頂面は見慣れた。怒っているのか、真面目な顔をしているのかの判断に困る。
「お前、生徒会やってみないか?」
先生の口から出てきた言葉は意外すぎて目を張った。「部活あるから‥‥。」
口を濁した。先生の後ろにある窓から野球部が見える。あの人がいる。

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