試験までの残りの日を代わり映えない練習に費やした。
本番
俺は不安からか一睡もできなかった。
友達から応援メールをもらい、張り切って試験会場に向かった。
いざ、面接。
スムーズに進む面接。
楽勝だ。
やっぱり俺に怖いものなどない。
そう思った。
しかし、人生はそんなに甘くない。
突然頭の中から何かが消えた。
それは今まで話した内容だ。しかも、今質問されている事は「なぜあなたはそう考えたのですか?」
「そう」って何だ?
俺は何を話したんだ。
…
…
俺は警察官になるために1日中ほとんど勉強していた。
ゲームも遊びもすべて我慢した。
やりたい事いっぱいあった。
見たい映画もあった。
全部我慢した。
そして今、俺は頭の中には何もない。
何を話したのか?
何を聞かれたのか?
俺は最後まで、何とか食いつないだ。
体力試験も必死でやった。結果は3ヶ月後…
俺はそれまで、プールの監視のバイトをした。
どんな突然でも正しく、落ち着いて行動する力を養うためだ。
俺は無我夢中で、失敗した事を消すかの様に監視をした。消えるはずも、時間が戻るわけでもないのに、もがいた。